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想刃_125

明智近景

あけちちかかげ

 俺たちにおける「銘」は、人間においての「名」だと思う。人間にとって、それは証だ。それは命だ。俺は人間が好きだった。あのひとが好きだった。けれど――人間はそれを奪った。俺から命を、証を、あのひとの手にあった記憶を、奪った。それは死だ。人間に、殺されたのだ。故に、憎い。俺を殺した人間が、何より――あのひとを否定した人間が。……勿論、君に罪がないことくらいは分かっているさ。だからこうして今日も、真のこころを奥に隠して、君と世界を描こうじゃないか。


「刀が人間に殺されるだなんて…
 ああ、とても滑稽だろう?」

明智近景

――独白・明智近景

普段の性別:男の子

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