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想刃_040

小烏丸

こがらすまる

 小烏丸と名の付く刀剣はね、いくつかあるんだ。僕にはもう、どれがどれだかも分からないのだけど。はじめは、全ての記憶を持っていた。でも、段々それが混ざり合って、溶けていって。僕の記憶を、人間の認識を、ぐるぐると混ぜる。何を想って想刃となったのかも、正直、もう分からない。だけど――別にいいんだ、それでも。僕が想刃であるうちは。僕が人間の姿になっていられるのなら。それが「小烏丸は強い想いを持っていた」という、証明となるのだから――。


「そう、僕は小烏丸だよ。
 うん、それが……どうしたの?」

小烏丸

――独白・小烏丸

普段の性別:男の子

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